第175回 「プレイヤーと先輩、どっちも本気でやるって話」堀井 義記(2年)


ついに新入生が入り、いよいよ「先輩」と呼ばれる立場になりました。正直なところ、これまでは1プレイヤーとして、自分の競技力を高めることだけに集中していればよかったんですが、後輩ができた瞬間から、求められる役割が一気に増えた気がしています。
たとえば、部活全体の仕事ができていなかったら、今までなら「なんで誰もやってないんだ」と思っていたのが、今は「気づいた自分がやろう」「後輩に声をかけよう」と思うようになりました。思えば、去年の先輩方もそうしていた気がします。誰かに言われたわけでもないけれど、そういう空気が自然と生まれるのが“先輩”という存在なんだと感じています。
もちろん、自分の練習もしっかりやらなければいけません。結果を残したいし、自分自身もっと上手くなりたい。けれど、後輩の様子を気にかけたり、わからないことを教えたりすることも、同じくらい大事なことだと、最近になってようやく分かってきました。
両立は正直簡単ではないです。集中したいタイミングで話しかけられると内心焦ることもあるし、自分のことで精一杯なときもあります。でも、自分が1年生だった頃を思い出すと、先輩が何気なくかけてくれた一言や、背中で示してくれた姿勢にすごく助けられていたことを思い出します。
だから今は、「完璧な先輩」じゃなくても、「信頼される先輩」になれるように意識しています。自分の成長に妥協せず、後輩にも自然と良い影響を与えられるような存在を目指したい。そう思って行動していると、少しずつですが、後輩との距離も縮まってきたように感じます。
プレイヤーとしての自分と、先輩としての自分。そのどちらも大切にして、これからも部活に向き合っていきたいと思っています。