第104回「ウィンドサーフィン再考」長田光平(3年生)
2月の団体戦が終わり、偉大なる4年生の追い出しと会計の精算報告に東奔西走していたら、束の間の3月下旬オフがそそくさと終わりを告げた。
オフにあった出来事を整理しよう。
大学時代に力を入れたことは何ですか。
ウィンドサーフィンってどんなスポーツですか。
なんでウィンドサーフィンをやり始めたんですか。
ボードセーリング部で、ウィンドサーフィンもやってるんだね。
夏しかやらないでしょ。ウィンドサーフィンをやらない時期は何をやるの。
え、冬もやるの…
改めて、ウィンドサーフィンに満ち溢れた生活を送っていたことに気づかされた。毎年偉大なる先輩達がくぐり抜けてきたであろう、矢継ぎ早に繰り出される数多の質問に必死に答える過程で出てくる話題は、ウィンドサーフィンの話ばかり。
よくよく考えれば、初期症状は散見されていた。練習のあるなしに関わらず、中風の日はなんだか気分が良いし、平日でも週末が吹き予報なら心中穏やかではない。得意風域のために徳を積み続ける毎日だ。そう、日常がウィンドサーフィンまみれだ。そんな人は他に誰もいない。自己分析でも他己分析でも、診断結果は末期症状、もう手遅れだった。
そして、オフに色んな人に会うことで、世の中には、様々なことに取り組んでいる同世代がいることを知った。とんでもなく優秀な中国人や波瀾万丈な人生の関西人、ボディビル部や自分の名前を自分で名付けた人(因みに友達と全く同じ名前にしたらしい)など、十人十色でどんな話も興味深かった。それでも、みんな一様にウィンドサーフィンの話に興味を持ってくれたのは、この競技の持つ特異性と潜在的な魅力が要因だろう。新歓が始まり、試乗会の三角艇に乗ると初心を思い出す。一度始めたらやめられないのだ。昼食代を浮かせるためではなく、実家が埼玉だろうが千葉だろうが遥々逗子まで来て、好奇心から何度も何度も試乗会に参加しているような新入生が最も身に染みて感じていることかもしれない。
さて、ラストイヤーだ。泣いても笑っても今年が最後。このスポーツに出会えたことに感謝しつつ、学生生活最後の一年を堪能しよう。願わくは、最後はこう言って追い出されたい。
「ウィンドサーフィン最高」