第199回「真の優しさ」八木田裕樹(3年)

「真の優しさ」
お世話になっております。3年生、46-4の八木田裕樹です。
季節の変わり目を今年も海上で感じております。そろそろフルスーツを着たいと思うほど寒くなっておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
逗子は相変わらず、ウィンディとヤフー天気の風速計の予報が当たらず、困っております。そんな逗子での三年目の夏練を終えて、ウィンドサーフィンに対する姿勢が変わったように感じます。
夏。
大学の友人はしっくりこないリクルートスーツを着て、「就活、サマーインターン、ES」と何かに追われていた。私も、「支部選、支部選、支部選」と頭から離れなくなるほど追い込まれていた。
夏練で班ごとに分かれたとき、プレイヤーが同期一人、後輩が多い班で本当に不安でした。そして、このことが結果的に自分を伸ばしたと言っても過言ではない。
去年の関東支部選で予選を通過できなかったこと。これを後輩に経験させたくない一心で練習に取り組んだ。誰よりもこの大会に対する思いはやはり大きかったと思う。限界までパンピングを行い、誰よりも声を出し、メリハリをもって全身全霊でこの夏を駆け抜けた。夏前までは支部選を通過することが目標であったが、気付いたら優勝することになっていた。
元々、自分は放任主義が好きだった。それは干渉することが大変だからというよりも、自身の気付きを大事にしてほしいという願いがあった。それは、自分にとって楽であったが、逃げでもあった。責任も負う必要がない。その人のための優しさでもあるとも信じていた。しかし、ストレートに言ってあげることが真の優しさであることもある。限られた学生生活、当時は支部選までという限られた時間の中で成果を最大化させなければならないとき、どちらが良いか明白であろう。正解はないが、自分が良いと信じたほうに進んだ。
改めて個人スポーツでありながら、チームスポーツであると実感させられた。僕はチームで動くことの面白さの虜になっていた。支部選を通過したということは、すぐにインカレ個人戦が来る。4年生の最後の個人戦の大会であり、いわゆる「四年生の意地が出る」大会であろう。そんな大会に正面からぶつかり、自分の持てる力を出し切りたい。そして、入部当初からの目標であるNセレ入賞、和歌山での奪還に向けて泥臭く励みたい。個人が一人で頑張っても絶対に勝てない。今、チームが変わろうと奮闘している。負けじと食らいついていきたい。
また、ブログで部員に最近のマイブームを書くようにお願いしたので自分も記したい。マイブームというよりはまっていることになるかもしれない。それは、「かます」ことである。みんながやらなかったり、自分の予想もしない行動を不意にとり、相手に対して「なんかこの人できる、やばい人だ」と思わせることである。僕の友人が授業の自己紹介で言っていた言葉で、「世の中はかますか、かまされるかの二択である。」と。その時ハッとさせられた。自分もやろうと。
大学の授業でプレゼンテーションをする機会があった。グループのメンバーは面倒くさいという理由でみんな発表やパワーポイントの準備をしたくないと言葉にはしないが、そんな雰囲気が流れていた。チャンスだと思った。全部自分で準備して、発表も独壇場で行い、質疑応答もすべて完璧に準備して、一人でやってのけた。結果、7チーム中1位で優勝。何か一皮むけたようなそんな感じがした。
営業のアルバイトでもだ。飛び込み営業の際に信頼を得られそうになったとき、自分から強めの握手をしたり、本当に話せてよかったと目をバキバキにして伝えてみたり。「なんかこの人やばい」と思っている顔を見るのが楽しかった。
この勢いのままウィンドサーフィンも今年の残りの2か月間駆け抜けていきたいと思います。
最後になりますが、日頃より明治大学体育会ボードセーリング部への温かいご支援をありがとうございます。引き続き応援の程よろしくお願いいたします。
